はじめに

FM OSAKAは番組を制作するだけではなく、それを「放送」して、事故なくリスナーの皆様に届けることも重要な仕事です。
ここでは、FM OSAKAの「放送」を24時間365日支える放送設備をご紹介します。

放送の流れ

FM OSAKAの番組は、大阪「ミナミ」の本社で制作され、このミナミの本社社屋屋上のアンテナから、大阪府大東市にある飯盛山送信所へ送信し、飯盛山送信所で「85.1MHz」となって、リスナーの皆様のもとに送信されています。
(飯盛山送信所からの電波の届きにくい能勢地域では、飯盛山からの電波を中能勢中継局を経由し、77.4MHzでリスナーの皆様にお届けしています。)
また、全国のネット局(FM OSAKAはJFN:ジャパンエフエムネットワークの一員です)からの番組は、人工衛星を用いたCSサテライトネットワークで受信し、お送りしています。
FM OSAKAから全国のネットワークへは地上回線やインターネットVPNを用いた回線で送られています。

FM OSAKAの歴史

FM OSAKAは1970年4月1日、万国博覧会が大阪で開催されたとき、関西初の民間FM放送局として開局しました。
開局以来32年余り大阪市北区中之島の朝日新聞ビルに本社・演奏所(簡単にいうとスタジオなどのことです)を置き、全番組ステレオ放送で編成し、時には隣接するフェスティバルホールなどから臨場感溢れるライブサウンドをリスニングルームの皆様に届け、常に高品質で時代にあったプログラムをリスナーに発信してきました。
2000年頃より本社・演奏所の移転が本格化し、2002年7月22日13時より若者と庶民の町として親しまれている「ミナミ」の一角、浪速区湊町の湊町リバープレイスに本社・演奏所を移し、ON AIRを開始しました。

放送設備の特徴

湊町のFM OSAKAはスタジオの機器や放送機器などは、従来のアナログ機器を出来るだけ使用せず、音質がクリアなデジタル機器で構成されています。
また、録音番組やCMは、音質劣化を避けるため圧縮などの処理を行わず、非圧縮のデータファイル(一般的なイメージでは、パソコン等の音声ファイルで使用されるWave形式に似ています)となっており、JPPA(日本ポストプロダクション協会)のBWF-Jレベル1運用規定(日本の放送業界などで一般的になりつつある音声ファイルの規定のことです)に完全対応した音声データファイルフォーマットとなっています。
番組の内容を記録する「キューシート」は、従来は制作スタッフが、手書きで記入し、作成していたものを、放送運行データの生成システムである「EDPS(営業放送システム)」から、「電子キューシート(DAWの端末上で作成・入力)」し、音声ファイルとキューシートの一体化をはかり、「完全テープレス」な統合的システムとなっています。

FM OSAKAの放送システムの構成と概要

FM OSAKAの放送システムは、下図のような構成となっています。
このコーナーでは、放送を支えるシステムの概要を説明します。(それぞれのブロックの詳細は別に詳しく説明します。)
 

 
【ABMシステム】
FM OSAKAでは「EDPS」と「DAW」の2つのシステムを統合した「ABMシステム」というマルチメディアデータベースシステムを採用しています。(「EDPS」「DAW」については以下に説明します。)
 
【EDPS】
「EDPS」とは、日本語では「営業放送支援システム」と言われ、放送局の事務的処理と放送運行の中間に位置するシステムです。
このシステムは民放の放送局では、ほぼ導入されているもので、番組の編成、CMや番組の契約、CMのスケジューリング、運行データ作成、各種素材の管理(有効期限など)、放送確認書(放送したことをスポンサーさんなどに通知する文書)、請求書の発行、などを行うシステムです。
またこのシステムから、EDPS以降の各システムに必要な「放送運行データ」を作り出すことも行います。
 
【DAW】
「DAW」とは「デジタルオーディオワークステーション」の略で、一般的に、DAWと言うと、音声の編集や加工を行うパソコンベースのシステムですが、FM OSAKAで使用しているDAWは、スタジオの設備のひとつとして使用しますので、編集機能のほかに、キューシートの作成・管理の機能や、ABMサーバから音声ファイルをダウンロードして再生をする機能、録音機能、効果音やジングルを再生する機能(これを「ポン出し」といいます)、レコード室にあるCDを検索する機能など、いろいろな機能を持っています。
 
【スタジオ】
スタジオは放送の中心的な場所で、FM OSAKAには7つのスタジオがあります。
主に生放送に使用するAスタジオ、Bスタジオ(Aスタ、Bスタといいます)の他、録音番組を作る第1スタジオ、第2スタジオ、第3スタジオ(1スタ、2スタ、3スタといいます)、主に編集を行うエディットスタジオ(EDスタといいます)があります。
スタジオは、DJやタレントが話すためのマイクの置かれた「ブース」と、制作スタッフ等が機器の操作や各種調整を行う「副調整室(サブともいいます)」の2つに分かれています。
副調整室には「調整卓(ミキサー卓ともいいます)」、DAW、CDプレイヤーやMOディスクプレイヤー、DAT、各種コンバータやエフェクター、スピーカー、電話機などがあります。
 
【DAF】
「DAF」は「デジタルオーディオファイル」の略で、他の放送局では「CMバンク」「番組バンク」と呼ぶところもあります(これは、銀行のように、「貯めてある音」を出すことから「バンク」と呼ばれるようになったとの説があります)
FM OSAKAではCMや録音番組などの事前に録音された音声ファイルを、APCの指示(制御)に基づき、再生し、再生結果をEDPSに通知します(CMの場合、通知された再生結果に基づき、放送確認書が作成されます)。
 
【APC】
「APC」とは日本語で「自動番組運行装置(AutoProgramController)」と呼ばれます。(他の放送局では「APM」と呼ぶところもあります)。
EDPSから送信された「放送運行データ」に基づき、リアルタイムでいろいろな放送用機器に制御を行ったり、運用者に今の状況や次の状況を通知したり、音声の切り替え(音声を切り替える部分を「スイッチャー」と呼びます)を行ったりします。
 
【JFN情報ネット】
「JFN情報ネット」と呼ばれるものは、JFNからのネット番組の送受信を行うシステムで、大きく2つに分けられます。
1つは、人工衛星を使用した番組の送受信システムで、JFNのネット局からの番組をFM OSAKAで受信し、リスナーの皆様に届けています。
もうひとつは録音番組の配信システムで、JFNネット局からの録音番組を専用の回線でファイルの形式で送受信したものを、FM OSAKAで再生することでリスナーの皆様に届けています。
 
【見えるラジオシステム】
「見えるラジオ」というのもJFNのシステムのひとつです。これは、文字情報をFMの電波にのせて送るシステムです。身近な例では、タクシー等でニュース等が表示されているものがあります。
 
【STL送信設備】
FM OSAKAで作られた音声や文字情報を、湊町の社屋から飯盛山の送信所まで電波を利用して送り届けるシステムです。3.4GHzという高い周波数を使用して、送信所まで届けます。送信所では、この電波を受信し、85.1MHzに変換し、リスナーの皆様に届けます。

キューシートとは?

キューシート(CueシートやQシートとも言います)は、番組のタイトルや出演者、時間順に何を行ったか、どんな曲をかけたか、という番組の内容や音の内容の情報を1枚のシートにしたものです
いままでは、制作スタッフが手書きで、シートに記入していましたが、DAWシステムを使用することで、キューシートと音の関連付けが可能となり、間違いや時間短縮が出来るようになりました。
 

 
それでは、次のコーナーから、FM OSAKAの設備について詳しく、(専門的な内容にまで踏み込んで!)説明していきます NEXT >>