FM大阪 施設案内                                                                   

 

2.スタジオエリア

 

スタジオエリアの設計コンセプト

 

FM 大阪全体のコンセプト「シンプル&モダン」を核としながら、スタジオエリアとしては『元気で人にやさしいスタジオ』をサブコンセプトに、高い天井を生かし、アートモダン的な壁面を採用、面と曲線をうまく織り交ぜ、落ち着いたカラートーンとなっています。

また、スタジオエリア全体は、フローリングなど木を積極的に使うことにより、人にやさしい雰囲気を醸しだしています。

 

スタジオエリアの構成と構造

スタジオエリアの構成は 

1)マスター室

2)機器ラック室

3)スタジオ

4)オンエアスタンバイエリア

5)モニターデスク

6)電話リクエスト受付エリア(デンリクデスク)

6通りで、各エリアの説明を致します。

 

1)マスター室

マスター室とは、放送の心臓部です。ここは言うなれば【中央監視室】と言うようなもので、FM 大阪の全ての放送の運行監視、緊急時の対応などを行います。ここでは、24時間365日有人監視を行っています。

24時間365日、人がいるということで、長時間の勤務でも疲れにくい居住性と、機器ラック室、技術スタッフ室へのアクセスを考慮し、近傍にマスター勤務者専用の仮眠室を配置しています。

また、マスター室から1200mm×1200mmの窓を介して、ニュースなどをリスナーの皆様にお伝えするアナウンサーブース(アナブース)があり、左側は高さ1800mmの外窓に面して開放的な雰囲気を演出しています。

床は機器の設置・増設時の「布線工事」を容易にするため床は有効高300mmの静電気防止タイプのフリーアクセス構造とし、布線ルートは電源とデジタル信号線、アナログ信号線、制御線及び映像線と輻輳しないように配置しています。

照明はビルの電源設備点検による全停電時でも支障なく運行管理できるように、一般商用電源、CVCF無停電源及び発電機電源に対応した電源の3系統にしました。

 


(写真)監視卓 (20237月に更新しました!)

 

2)機器ラック室

APSDAFSTLなど主要設備を収容するため床加重800kg/uで設計してあります。

ここはマスター室同様、有効高300mmの静電気防止タイプのフリーアクセス構造とし、さまざまなケーブルの布線ルートに関しては、MDF(配線盤)を収納するため、マスター室以上に電源ケーブルとの切り分けに注意を払い、ノイズが各系に混入しないようになっています。

耐震対策としてラック取り付け部分には1.5Gの揺れに耐える特注の架台を設置し、さらに各ラックを連結、各列上部をアングルでつなぐことにより1つの大きな面を造りラックの転倒を防止しています。

 

3)スタジオ

スタジオは、

 

・オンエアスタジオ(Aスタ、Bスタ)

・録音スタジオ(1スタ、2スタ、3スタ)

・編集スタジオ(EDスタ)

 

の3タイプに大別され、浮き構造を基本に床はフローリング仕上げで布線用ピットを有しています。

壁は腰高までは木で腰高から天井までは吸音構造のクロス張りにし、100mmピッチで木製リブを取り付けました。

またオンエアスタジオABと録音スタジオ12は正面壁にレンガタイルを採用しました。

 

・オンエアスタジオ(Aスタ、Bスタ)

 

スタジオブースと副調整室間の窓、スタジオブースの屋外側窓およびスタンバイエリア側窓などできる限り、開口面積を大きく取り、オンエアを主とした開放感のあるスタジオです。

また、リアルタイム性を重視し、機動性に配慮した効率的なレイアウトと機能的な機器配置を実現しています。

オンエアスタジオはABの2つがあり、スタンバイエリア内の多目的スペース(ユーティリティエリア)を挟んで左右対称に位置します。また、外壁に面しているため、窓を中心に電磁シールドを施しています。

 


(写真)オンエアスタジオA

 


(写真)オンエアスタジオAのスタジオブース

 

・録音スタジオ(1スタ、2スタ)

 

録音スタジオ12の内装はオンエアスタジオと同じデザインですが、副調整室(サブ)からスタジオブースの動線上に前室があり、容積的にはオンエアスタジオよりひとまわり小さいものになっています。

スタンバイエリアまたは回廊側に窓を設けることにより、圧迫感のないように配慮された録音専用スタジオです。

 

・録音スタジオ33スタ:アナブース、緊急時バックアップ用)

 

録音スタジオ3はアナブース(主にニュースなどを放送するブース)の空き時間を利用して、録音作業が行えるようにすると共に、緊急時のバックアップスタジオとしての機能を備えています。

また、アナブースの上部PH階に電気室があるため、磁気シールドを施し、トランスからの磁界の影響が出ないようにしています。

内装的にはグレー系の複数色でまとめ正面、側面背面とも腰高までは木で腰高から天井までは吸音構造のクロス張りにし、100mmピッチで木製リブを取り付け、部屋の狭さを感じさせないよう外壁側に比較的大きな窓を設けました。

 


(写真) 録音スタジオ3副調整室

 

・エディットスタジオ(EDスタ)

編集スタジオとして位置づけられ、録音スタジオと同等の機器が設置されたワンブースタイプのスタジオです。内装は録音スタジオ3の副調整室と同じ仕様で作られて、ワンマンDJスタイルでのオンエア対応もなされています。

 


(写真) EDスタジオ

 

 

4)オンエアスタンバイエリア

生放送または番組や素材録音に直接関係する人の、事前打ち合わせや準備を行うエリアで、その中にはオンエアスタジオAB両スタジオブースを見渡せるユーティリティスペースがあります。

また、CDを検索する検索パソコンやCDラックなどが機能的な位置に配置されています。

 

5)モニターデスク

モニターデスクは3つあり、CDなどのモニター、取材した素材のDAWへの登録、そしてDAWでの編集、完パケ作業(番組を完成品として"完全パッケージ"化することです)など効率良く行えるようにしたスペースです。

 


(写真)モニターデスク

 

6)デンリクデスク(電話リクエスト受付エリア)

スタンバイエリアの録音スタジオ12の壁面にデンリクデスクがあります。

このデンリクデスクは6つのデスクからなり、1つのデスクあたり3台の電話を接続可能、オンエアスタジオABでは、合計18台の電話を択一して放送にのせることができます。

現在は専ら番組制作に必要な事前作業用デスクとして使用されています。

社内LANのコネクタはもちろん、DAW端末も置かれ、DAWでのキューシート(オンエア用フォーマット)作成、素材の編集などができるようになっています。

 

 

施設案内

01.          建物・ロビー

02.          スタジオエリア

03.          スタジオの音響

04.          放送システムの基本設計

05.          ABMシステム

06.          DAW

07.          DAWを使った制作

08.          APS・マスター設備

09.          DAFシステム

10.          スタジオの機器

11.          その他システム

12.          送信所・中継局

13.          電源設備

14.          空調・消火設備

15.          終わりに

 

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