04.放送システムの基本設計
放送設備のシステム設計
湊町のFM 大阪での放送設備(放送システム)では、これまでの運用スタイル、これからの運用スタイルを考慮して、以下のような方針で設計しています。
(1)BWF-Jフォーマットに完全対応した、デジタルシステム
BWF-Jフォーマットとは、日本の放送業界で主流である音声ファイルの基本フォーマットのことで、JPPA(日本ポストプロダクション協会)が規格策定を行っています。
(2)DAW(Digital Audio Workstation)を1つのコアとしたシステム
(3)EDPS (営放システム)を最上位とし、APS、DAW、DAF、裏録、そして同録を有機的に結合した総合システム
・裏録:放送とは別に、送られてきた音声を録音するシステムのことです。例えば、別の時間帯に放送する番組などを受信して録音しておき、別の時間に放送するような場合に使用します。
・同録:放送局では、一定期間、オンエアした音声を録音して残しておかなければなりません。これを「同時録音」略して「同録」と呼びます。
(4)「JFN情報ネット」と連動し、可能な限り効率化を追求したシステム
(5)音質の劣化を極力軽減し、保守効率を上げるため機器のフルデジタル化を行い、デジタル信号(AES/EBU:デジタル信号の規格のひとつです)での受け渡しに徹したシステム
(6)信頼性、安定性および拡張性のあるシステム
以上の項目を基本に設備メーカーと打ち合わせ、ほとんど全てのシステムを新規で構築しています。
※移設物(旧社屋で使用していたもの)
予備送信機は中之島の旧社屋で使用していたものを移設しました。
次のコーナーから、EDPSとDAWを統合した「ABMシステム」を中心としたシステム全体について説明していきます。
01. 建物・ロビー
02. スタジオエリア
03. スタジオの音響
04. 放送システムの基本設計
05. ABMシステム
06. DAW
07. DAWを使った制作
08. APS・マスター設備
09. DAFシステム
10. スタジオの機器
11. その他システム
12. 送信所・中継局
13. 電源設備
14. 空調・消火設備
15. 終わりに