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DAF(デジタル・オーディオ・ファイル)

DAFは2013年に更新しました。
今回のDAFは、ABMシステムと統合した形となっており、CM・PGM(番組)バンク両バンクを1つのシステムで構成し、APCと同様CM・PGM各々独立4方向送出に対応しています。

【DAFの概要】
DAFはDAW端末で登録されたBWF-JファイルフォーマットのCM、PGMを登録し、放送進行表に従い順次再生します。
そして、BWF-JファイルのCuePoint-Chunkに基づいてAPCにトリガ信号を出し、それらのオンエア結果情報等を上位のABMシステムに返します。
DAFシステムは、大きく分けて編集端末、送出サーバ、系統切り替え機、アラーム端末などから構成されています。各々のシステムの特長を活かし、ネットワークで接続することにより情報、データの共有を図り、流動的な編成・運用にフレキシブルに対応しています。

【DAFの特徴】
(1)分散制御方式の採用
シンプルな標準システムの組み合わせにより、システムの大型化を避け、また複数処理が重なったときCPUが過負荷状態にならないようにしています。

(2)拡張性
ハードウェア、ソフトウェア共に標準的なものを使用し、拡張性の高いシステムになっています。

(3)信頼性、安全性
送出サーバは1系、2系、3系と3重構成で構築し、さらにバックアップ送出サーバをもつ、実質4系統化となっています。

(4)フルデジタル仕様
音声入出力はDAW、マスター装置と同様、AES/EBUで統一しています。

(5)操作性
汎用的なOSを採用し、運行表示等のわかりやすい表示と操作性を実現しています。

(6)スタジオからの直接制御
通常はAPCにより制御されていますが、スタジオからの直接制御も対応しています。また、音声出力も直接制御を行ったスタジオに該当の送出方向のデジタル出力を供給しています。

【構成と系統】
DAFシステムは、上位システムとのデータ(音声含む)の送受信用に「情報系LAN」、APCなどからの制御のための「制御LAN」の2種のLANを有しています。

(1)編集端末
この端末は登録済み素材の管理、モニターを行う端末で、MO・MDへの1本化作成(MOにはBWF-Jフォーマットで作成)等の機能があります。マスターに設置された端末は緊急対応として、手動で送出サーバの制御を行うことができます。
※「一本化」とは、CMなどの1日分のOA予定の素材を、順に並べたもので、DAFの故障などの緊急時に再生できるようにしたものです。

 
(2)送出サーバ
送出専用PCを3系統持ち、1系に障害が発生したとき2系に切換わり、さらに2系も障害が発生したときは3系に切換わり、運行を継続します。
ABMより送られてくる放送進行表の音源素材を2日分ABMサーバからダウンロードします。
CM素材、番組素材はRAID構成されたハードディスクにダウンロードし、APCからの制御で再生します。
再生出力はマスター装置やDAWと同じ規格のAES/EBUデジタル出力でCM・PGM各々4方向送出に対応しています。
放送予定時間の2時間前までに音源素材がダウンロードできないときはアラームを発します。

(3)その他機能
送出サーバの制御ログ・操作ログを参照する機能、緊急時の枠単位でのNEXT-SET操作機能、PLAY/STOP操作機能を持った編集端末や放送進行表に基づいた運行状態を表示するイベント表示端末及びアラーム端末等があります。

DAF2013.jpg