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放送設備のシステム設計

湊町のFM 大阪での放送設備(放送システム)では、これまでの運用スタイル、これからの運用スタイルを考慮して、以下のような方針で設計しています。
 
(1)BWF-Jフォーマットに完全対応した、テープレス化システム
●BWF-Jフォーマットとは、日本の放送業界などで今後主流となっていく音声ファイルの基本フォーマットのことで、JPPA(日本ポストプロダクション協会)が規格策定を行っています。
 
(2)DAW(Digital Audio Workstation)を1つのコアとしたシステム
 
(3)EDPS (営放システム)を最上位とし、APC、DAW、DAF、裏録、そして同録を有機的に結合した総合システム
●裏録:放送とは別に、送られてきた音声を録音するシステムのことです。例えば、別の時間帯に放送する番組などを受信して録音しておき、別の時間に放送するような場合に使用します
●同録:放送局では、一定期間、オンエアした音声を録音して残しておかなければなりません。これを「同時録音」略して「同録」と呼びます
 
(4)「JFN情報ネット」と連動し、可能な限り効率化を追求したシステム
 
(5)音質の劣化を極力軽減し、保守効率を上げるため機器のフルデジタル化を行い、デジタル信号(AES/EBU:デジタル信号の規格のひとつです)での受け渡しに徹したシステム
 
(6)地上デジタル音声放送に対応したシステム
●今後発展していくとであろう「Vlowマルチメディア放送」に対応できるように拡張性を持ったシステムを構築しています。
 
(7)信頼性、安定性および拡張性のあるシステム
 
以上の項目を基本に設備メーカーと打ち合わせ、ほとんど全てのシステムを新規で構築しています。
 
※移設物(旧社屋で使用していたもの)
STLを実装するSTL送出架、予備送信機は中之島の旧社屋で使用していたものを移設しました。
 
次のコーナーから、EDPSとDAWを統合し「テープレス」な環境を構築している「ABMシステム」を中心としたシステム全体について説明していきます。